【超音波検査士レポート編】認定試験を受験する前に注意しておくべきこととは?

現役の臨床検査技師/超音波検査士(消化器)のそのぐらふぁー12号です。

エコー検査をする技師がめざす認定資格といえば日本超音波医学会が認定している超音波検査士ですね。

2017年度は約1800人が受験するほどの大人気ぶりです。

あなたの職場でも、持っている人はいるのではないでしょうか?

今年は受験を見送った人も、来年に向けて準備を早めにする人もいるかもしれませんね。

そんな超音波検査士ですが、受験するにあたって注意すべき点がいくつかありますので、ご紹介したいと思います。

実際に僕が受験して気を付けた方がイイと思ったことをまとめました。

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超音波検査実績(レポート)の書き方

試験にさきだち書類の提出が求められますが、なかでも1番厄介のは20症例の提出でしょう。

どんなふうに報告書を書いていけばいいのか、解説しようと思います。

受験するときは、まず必ず書類に目を通してくださいね。変更があるかもしれません。

診断と所見はきちんと区別する

1番やりがちな間違いとして、診断と所見を混同してしまうことがあげられると思います。

例えば、胆嚢結石(胆石)胆嚢ポリープを例に挙げてみましょう。

普段、ルーチンで超音波検査をおこなって報告書を書くときに、胆石や胆嚢ポリープと何げなく所見の所に記載していませんか?

僕は記載してました(笑)

では、そもそも所見とは何でしょう?

 

1  見た事柄。見た結果の判断や意見。
2  ある事についての意見、考え。

出典:コトバンク

つまり、見たままのことを言わなければなりません。

胆石の所見であれば、Strong echo(SE)の後方に音響陰影があるとか、あるいは体位変換で移動したとかそういったことです。

これらの所見を判断して、胆嚢結石という超音波診断にたどり着きます。

胆石や胆嚢ポリープというのは、もちろん病名であり超音波診断です。所見ではありません。

診断と所見の違いに気を付けて、レポートを記載しましょう。

僕が実際に参考にした書籍はこちらになります。

\消化器/


\循環器・血管/

\検診・泌尿器・産婦人科・体表臓器/



実際に胆嚢結石の所見の書き方も載ってますが、胆嚢結石の所見だけでなく腫瘤の有無も書かなけばならないとか、炎症性変化の有無も記載しなければならないとか日常の検査においても有用なことがたくさん書いてあります。

また、ワンポイントで胆嚢ポリープとの鑑別とかそういったものも記載されています。

ぜひ、超音波検査実績を記載する前に、一読しておきたい書籍です。

略語に注意

普段なにげなく使っている略語にも注意が必要です。

基本的には略語は用いないで、正式名称で書いておいた方が無難です。

よく使われる略語をまとめておきます。

  •  AS(Acoustic Shadow):音響陰影
  •  GB(GallBladder):胆嚢
  •  RAS(Rokitansky Aschoff Sinus):ロキタンスキー・アショッフ洞
  •  SE(Strong Echo):ストロングエコー
  •  HCC(hepatocellular carcinoma):肝細胞癌
  •  PV(portal vein):門脈
  •  Ao(aorta):大動脈
  •  FNH(focal nodular hyperplasia):限局性結節性過形成
  •  PEE(posterior echo enhancement):後方エコーの増強
  •  SMA(superior mesenteric artery):上腸間膜動脈
  •  CT(computed tomography)
  •  MRI(Magnetic Resonance Image)

シェーマの記載

所見と診断を記載したら、次はシェーマを書かなけらばなりません。

シェーマというのは図解です。

わかりやすく言うと、絵で解説ということ。

ここで気を付けたいのは、シェーマをスケッチではないということです。

ただ、写真の画像をそのまま模写してきれいに書き写してもダメです。それはスケッチなので。

美術では満点かもしれませんが、超音波報告書においては満点ではない可能性があります。

臓器との位置関係や、写真に残されている所見を的確に表現しましょう。

僕の学生時代の美術の成績は2でしたが(笑)、それでも書けましたので大丈夫ですよ!

シェーマの書き方も先ほど紹介した書籍に載ってます。


人の症例は使わない

当たり前のことですが、他の技師が検査した症例は用いていけません。

合格後に発覚した場合は、不正とみなされ不合格になることもあるようです。

日超医のHPより引用

症例が集まらないからといって、他人の症例を使うのではなく、きちんと症例が集まるまで待ったほうがいいですよ。

もしも、不正認定されてしまったら5年間受験できないペナルティーがあります。

おわりに

今回の記事では、超音波検査士を受験する上でまず最初の壁になる超音波検査実績(レポート)について気を付けた方がイイことをまとめました。

普段の仕事で何げなく書いている検査レポートですが、受験前にきちんと書き方を学んでおいた方がいいですよ。

この勉強は超音波検査士の受験のみならず、普段の仕事でも存分に生かされます。

実際に僕も超音波検査士を受験した時に医者から

『エコーのレポートの書き方がかわったね。』

『わかりやすくなって、説得力があるよ。』

なんて、お褒めの言葉をいただきました。

きっと、超音波検査報告書を提出させる意義って、そこにあるんじゃないでしょうか?

エコーはやはり主観的な検査になりがちなので、いかに説得力を持たせるかが大事なんだと思います。

いいかえると、客観性を持たせるということです。

エコーをやってる技師が100人いたら、100人全員がこの病気だと言い切れるような、納得できるような報告書や写真の撮り方が100点だと思います。

常に他人から見られてる気持ちを忘れずに、エコーをやっていきたいですね。










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