そのぐらふぁー12号(@yuutarin7)です。
最近の流れとして著名人の方が病気になると、ブログで公表されることが多いですね。
その影響もあってか、検診を受診される方もだんだんと増えてきています。
特に、乳がんについては女性の関心が高く、報道があった後はそれが受診動機となるようです。
超音波検査は放射線による被爆がないため、産婦人科でも検診に使われるくらい安全なものです。
エコーって白黒の画面で、患者さんからしたら何を見ているのかさっぱりだと思います。
われわれ、技師が超音波検査で何をみているのか?
今回の記事ではお腹に限ってですが、簡単に解説していきます。
対象となる臓器
一般的には、肝臓・胆嚢・胆管・膵臓・脾臓・腎臓・膀胱・腹部大動脈・子宮・卵巣などです。
(抜けていたらすいません。)
人間ドッグで検査しているのはこのあたりでしょう。
もし、腹痛などでエコー検査をする場合は消化管(胃、小腸、大腸、虫垂など)も追加します。
検診は異常の拾い上げが目的で、その場で診断を下すものではありません。
なにか異常があった場合は、後日しかるべき医療機関へ行って精査します。
そのため、検診は時間はかかりません。
スグに終わるかと思います。
腹痛で来た場合は原因を追求しなければなりません。
詳細に観察しなければならないため、検診と比べると時間がかかってしまいます。
肝臓
脂肪肝、腫瘍(血管腫、肝細胞癌など)の有無、肝硬変の有無、血管の異常など観察します。
特にB型肝炎やC型肝炎にかかっている人は、肝細胞癌を発症するリスクがあるため、経時的に検査されます。
胆嚢
胆石、胆嚢ポリープ、胆嚢壁肥厚(胆嚢腺筋腫症、癌、胆嚢炎)、胆泥(胆汁のうっ滞)、大きさなど見ています。
胆嚢ポリープや壁肥厚がある場合、大きくなっていないか変化していないか経時的に観察されていきます。
胆嚢は食後に小さくなってしまいます。小さくなると観察しにくいので絶食でお願いします。
胆管
メインは拡張していないかを見ています。胆管というのは肝臓で作られた胆汁というものが流れています。
胆管に石や腫瘍があって流れが止められた場合には、胆汁は流れることができません。(閉塞性黄疸と呼ばれるものです。)
その結果、拡張してきます。
膵臓
腫瘍がないか、嚢胞がないか、主膵管と呼ばれる管が拡張していないか、石がないか等を見ていきます。
膵臓というのは非常に細長く薄い臓器なので、大きくなる前に早期発見することが重要であると言われています。
腫瘍が描出されなくても主膵管が拡張しているときは、精査されます。
嚢胞(水の入った袋のようなもの)も癌のリスクがあるので、精査されます。
膵臓は周囲の消化管の影響をうけて観察しにくいことがシバシバあります。
脾臓
大きさ、腫瘍の有無などを確認します。
肝臓が悪くなると脾臓が大きくなることがあります。(脾腫)
脾臓は腫瘍ができることは少ないですが、悪性リンパ腫や血管腫、転移など見られることもあります。
腎臓
大きさ、石がないか、腎盂が拡張していないか、腫瘍がないか、腎盂が拡張していないかなど見ています。
腎結石があると、尿管といって腎臓で作られたおしっこが流れる管に結石が流れてしまうことがあります。
これは非常に痛いです。
膀胱
腫瘍の有無がメインです。
腹部大動脈
腹部大動脈瘤、リンパ節の腫大を見ています。
子宮・卵巣
腫瘍の有無、卵巣の大きさなど見ています。
超音波検査のメリット、デメリット
メリット
- 被爆がない(繰り返し検査できる)
- コストが安い
- リアルタイムで検査できる
- 侵襲性がない
デメリット
- 評価は検査者に依存する(客観性に乏しい)
これについては超音波検査士という認定資格があります。
超音波検査士の在籍する医療機関に行けば、多少は改善されるかもしれません。
[adcode] 【超音波検査(エコー)】って名前は聞いたことあるでしょうか? ゼリーをつけてグリグリやる検査です。 全く痛くないですし、無害なので気軽にできる検査の1つとしてたくさんの医療機関に普及しています。 臨[…]
まとめ
超音波検査は痛みもなく、被爆もないため広く普及している検査です。
超音波検査が契機となって病気が見つかる患者さんはたくさんいます。
皆さんも、ぜひ一度は検査してみてください。