現役の臨床検査技師/超音波検査士のそのぐらふぁー12号(@yuutarin7)です。
臨床検査技師の業務は多岐にわたりますが、そのうちの1つに超音波検査というものがあります。
超音波検査は経験・知識・技術がものをいう検査です。
そのため、超音波検査をできる技師を育てるには、それなりの月日が必要です。
以上のような理由から、臨床検査技師の転職活動においては、超音波検査の経験者が転職活動で優遇される風潮があります。
では、超音波検査ができないのは、転職活動に不利なのでしょうか?
また、いままで超音波検査の担当に恵まれなかった技師が超音波検査を学ぶことは不可能なのでしょうか?
検証してみたいと思います。
[adcode] 総合病院で働く臨床検査技師/超音波検査士である、そのぐらふぁー12号です。 超音波検査(エコー)を生業にする臨床検査技師・診療放射線技師にとって、超音波検査士は一種のステータス。 超音波検査士の資格がなく[…]
超音波検査とは?
おそらく、この記事にたどり着く人は、臨床検査技師あるいは超音波検査士に関係のある人だと思います。
なので、説明は不要かもしれませんが、一応簡単に説明しておきます。
超音波検査(ちょうおんぱけんさ、英語: ultrasonography, US echo)とは、超音波を対象物に当ててその反響を映像化する画像検査法である。
超音波検査は非侵襲的な検査手法である他に、X線画像検査などとは違って超音波検査には被曝の心配がないため、放射線管理も不要なので装置さえ用意すれば病室でも行える上に、日を変えて検査を何回行っても問題ないこともあり医療分野で広く利用されている。
Wikipediaからの引用です。
要するに人の耳に聞こえない高周波の音(超音波)を用いて、体の中をのぞく検査ですね。
放射線を使う検査ではないのが強みで、一応ヒトの体に害はないとされていますので
小児科や産婦人科では非常に重宝される検査の1つです。(もちろん他科でも重宝されていますが)
皆さんも画像を見たことがあるかもしれませんが、映し出される画面は白黒ですよね。
初めて見る人は
『何を見ているのかよくわからない・・・。』
と、おっしゃる方がほとんど。
つまり、超音波検査の画像を理解しようと思うと経験が必要ということです。
超音波検査の未経験者が勉強することは可能
では、本題に戻ります。
僕の考えでいけば、超音波の未経験者でも超音波検査を習得することは可能だと思っています。
地域の超音波検査の研究会に参加する
超音波検査を学ぶにあたり、1番いい方法は自分の所属する医療機関で教えてもらうのが簡便だし、手間も省けるとは思います。
しかし、なかには自分の所属する医療機関では教えてもらえないという方もいるでしょう。
そんな人は、地域の超音波検査の研究会に参加してみませんか?
僕の地域の場合は、定期的に未経験者を対象とした実技講習会を行っています!
これは、小さなクリニックや病院では超音波検査を学ぶことができないという技師に教えるためです。
ボランティアでやっています。
僕も講師として参加していますが、報酬はもらってません。
企業がやっている超音波セミナーは高額ですが、地域の研究会がやっている講習会は格安だと思います。
ねらい目ですね。
地域の大きな病院に研修を頼んでみる
超音波検査を盛んにやっている病院では、研修をお願いすれば研修してくれるところもたくさんあると思います。
うちの病院も、過去に何人か来てました。
これも、お金をとっているわけではありません。ボランティアです。
実際に症例にも触れられるので、こちらもおススメです!
小さい病院では超音波検査士の認定は取得できないのか?
臨床検査技師の認定資格の1つに超音波検査士というものがあります。
受験するためには、症例を集めなければなりません。
また、超音波専門医の署名も必要になってきます。
- 『自分の病院に超音波専門医がいない』
- 『自分の病院の医療機関は小さくて症例が集まらない』
といったところで躓いて、超音波検査士をあきらめてしまう方がいますが、もったいないと思います。
超音波専門医はHPで探せば見つかるので、お願いすればだいたいの医師は署名してくれます。
技師会でのつながりや、学会の繋がりで紹介してもらうこともできると思います。
実際、僕も自分の病院には超音波専門医いなかったので他院の技師にお願いして、超音波専門医を紹介してもらった次第です。
そして、症例が集まらないという点については、ほかの病院へ出向いて症例を集めるという方法があります。
ただ、この際自分が検査しなければならないので、少しでもプローベを握らせてもらって実際に患者さんに当てる必要があります。
自分のところで症例を集められないので、時間はかかるかもしれませんが、少なくとも超音波検査士の受験資格を得ることすらできないというのはないです。
確かに大きな病院で症例も豊富にあるところは恵まれています。
それは否定しないし、僕もその通りだと思います。
でも、それは、小さな病院で暇な病院で働いているから、超音波検査が習得できないということとイコールではありません。
たしかに遠回りではあると思いますが、学会や技師会に頻繁に参加して繋がりを作れば、超音波検査を習得できないことはありません。
おわりに
臨床検査技師の仕事は超音波検査だけではないです。
病理だってあるし、生化学だってあるし、血液も細菌も輸血もあります。
自分が就職した病院でどこの検査の担当になるかは、その病院の体制もありますし、必ず希望通りになるわけではありません。
自分が希望することができないからと、ふてくされるのではなく、まず目の前の仕事から始めましょう。
実績を積み立てないと、やりたいことだけやらしてくれるわけないと思います。
どの分野の仕事も臨床検査技師にとって、大切な仕事です。
やりたいことをやるためには、言いたいことを言うためには
だれも文句言えないくらいに、今ある仕事をきわめていけるように頑張るしかないと思います。
文句ばかり言っていても現状はかわりませんよ。