臨床検査技師として働いている人の多くは、病院か検査センターかで働いている人が最もおおい。
治験コーディネーターや製薬会社で働く人もいるが、少数派である。
私は臨床検査技師として働き始めて13年の経験があるが、最初の3年間は某検査センターで働き、残りの10年間は総合病院で働いている。
本記事では、検査センターと病院2つの施設を経験した私がメリットとデメリットについて解説していく。
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検査センターについて
検査センターについて知っている人は読み飛ばしてもらいたい。
病院にある検査室は病院にある検査室なのであまり説明することはないだろう。
しかし、検査センターというのはあまり聞きなれないかもしれない。
臨床検査技師を目指す高校生のために検査センターについて触れておく
臨床検査技師の就職場所としては病院が1番多いわけだが、検査センターに就職する人も一定いる。
検査センターについて簡単に説明すると
血液やおしっこなどの検体を医療機関から集めて、検査する所
と理解してもらえればいいと思う。
なので、患者に直接的に接することはほぼない。
また、病院のように看護師や診療放射線技師などの他職種とのかかわりは薄い。検査センターにいるのはほぼ臨床検査技師のみである。
厳密にいえば、看護師とは問い合わせの電話等で関わることはあるが、直接顔を合わせることはほぼないと思っていい。
検査センターはなぜ存在するのか?
そこそこ大きな病院に行けば、検査室を見たことがあるかもしれない。
ここで疑問が出てこないだろうか。
- クリニックには検査室がない。
- 特殊な検査あるいは出される頻度が少ない検査は病院の検査室でやっていない。
という理由だ。
クリニックについては、臨床検査技師を配置していないところも多い。
配置していても、超音波検査や心電図検査といった生理機能検査がメインであることが多い。
血液検査(主に生化学検査)をするための機械は費用も高い。
また、機械自体も大きいため場所を取る。
費用対効果の側面から、生化学検査などの機械を置いているクリニックは見たことがない。
だからといって、クリニックに血液検査が必要でないということではない。
なので、そういったクリニックから血液などの検体を集め、まとめて検査している。
もう1つの理由としては、病院の検査室ではできないような特殊な検査、出される頻度が少ない検査は病院自前の検査室でやっていては、赤字になってしまう。
しかし、検査センターの場合は話が変わってくる。
1つ1つの医療機関では出される頻度が少ない検査でも、各医療機関から出された検査を検査センターでまとめれば、一定数になり赤字検査にはならないのだ。
検査センターで働くことのメリット、デメリット
話を本題に戻し、メリット・デメリットについて述べる。
検査センターで働くメリット
検査技師ばかりなので、他職種に気をつかわない
- 生理機能検査はノータッチ
- 病院ではできないような特殊検査ができる
だいたい、こんなところだろうか。
まず、他職種とのかかわりが薄く職種間でのイザコザがないのがメリット(笑)
しかし、検査技師間でのイザコザはある。
あとは、病院ではできないような特殊な検査ができることは大きなメリットではないだろうか?
検査センターで働くデメリット
- 患者に接しないので医療従事者である意識が薄くなる
- 病態を把握しづらい
- カルテが見れないので、なぜこんな検査結果になったのかわからない
- 超音波検査できない
患者に直接的に接しないため、医療従事者である意識が薄くなってしまう。
また、カルテを見ることができないので、検査値で異常値がでてもどういう病態でこのような値になったのかわからず、なんかモヤモヤしてしまう。
あとは、患者に接することはないので当然だが、超音波検査をはじめとする生理機能検査はできない。
自分的には、生理機能検査ができないのが大きなデメリットだった。
病院で働くメリット・デメリット
次は病院で働くメリット・デメリットについて述べる。
病院で働くメリット
- 生理機能検査ができる
- 病態が把握しやすく勉強になる
自分的には超音波検査ができる恩恵があった。
また、カルテを見ることができるので病態と検査のかかわりについて非常に勉強になったと感じている。
病院で働くデメリット
- 他職種との関りがめんどくさいことがある
- いろいろと雑用も多い
- 当直、待機がある
病院はいろんな職種がいるので、部署間のかかわりがめんどくさいことがある。
また、病院のイベントなんかがあると、要員として駆り出されるのでそういった雑用的な業務は増えた。
病院にお泊りしての当直、なにかあったときに呼び出される待機がある。
しかし、当直手当や待機手当もらえるので自分はデメリットとは思わなかった。
おわりに
どちらで働いてもメリット・デメリットがある。
生理機能検査がしたければ、検査センターで働く選択肢は必然的に消える。
患者に接することを億劫に感じる、生理機能検査は苦手で検体検査だけをしたいという人は検査センターが向いている。