【腹部超音波検査】消化管の層構造を解析しよう。【初心者向け】

こんにちは。超音波検査士ゆうたりん(yuutarin7)です。

消化管よくわからないんだよなぁ~。

消化管は苦手とする人もまだまだ多いようです。

今回の記事では消化管の層構造について解説していきます。

この記事は消化管の層構造についての記事です。層構造以外のことについてはあまり記載していません。そのほかの評価についてはまた別の機会に記事にしていきたいと思っています。

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5層構造

消化管エコーをやったことがある人なら絶対に聞いたことがあると思います。

消化管の壁は高周波プローベで観察すると層構造を観察することができます。

こんな感じです。この写真は前壁と後壁が写っています。

わかりやすいように後壁だけのアップにします。

これを消化管の内腔側から見ていきますと

  1.  高エコー
  2.  低エコー
  3.  高エコー
  4.  低エコー
  5.  高エコー

となっているのがわかってもらえるかなと思います。

これが5層構造です。胃も小腸も大腸も虫垂も食道も同じように5層構造です。

まずはこれを認識できるようにしましょう。

それぞれ疾患を鑑別するうえで、あるいは癌の深達度を判断するうえでとても重要になってきます。

次にそれぞれの層構造について解説していきます。


「Medical Technology」別冊 超音波エキスパート 14 消化管エコーUPDATE スキルアップをめざして

上の本は消化管エコーにおすすめです。ぜひ見てみてください。

第1層 高エコー

内腔側から見て一番最初の高エコーは、内腔面の境界エコーと粘膜層の一部に該当します。写真での赤色の線に該当します。

第2層 低エコー

2番目にみえる低エコーは、粘膜層と粘膜筋板に該当します。写真での緑色の線に該当します。

第3層 高エコー

3番目に見える高エコーは、粘膜下層に該当します。写真でのオレンジ色の線に該当します。

第4層 低エコー

4番目に見える低エコーは、固有筋層に該当します。写真での黄色の線に該当します。

第5層 低エコー

5番目に見える高エコーは、漿膜下層と漿膜および漿膜外との境界エコーに該当します。写真でのピンク色の線に該当します。

層構造の評価

層構造の評価は

  1.  明瞭
  2.  不明瞭
  3.  消失

です。

第3層の粘膜下層が判別できていれば消失ではありません。

壁肥厚があった場合

日常検査において腹痛の検査をするときに消化管を観察すると、消化管の肥厚が見られる事は多いです。

例えば、心窩部に痛みを訴えている患者の超音波検査をしたとしましょう。

そこで胃の前庭部に壁の肥厚を見つけました。

単純に肥厚している場所を計測して終わりますか?

それは存在診断しかしていないことになります。

層構造を解析できるようになれば、さらに一歩進んで質的診断に踏み込めます。

【前庭部に第3層粘膜下層を主座とする全周性の肥壁厚を認めます。粘膜下層は低エコー化し、不均一になっています。AGMLの所見です。】

と報告書に記載できます。

第何層がどのように変化しているのか?どの部分が病変の主体なのか?

この辺りをきちんと見ていく必要があります。

消化管壁肥厚の正常値

これは書籍によって微妙に違いますがおおむねこんな感じです。

  1.   胃:5mm≧
  2.  小腸:4mm≧
  3.  大腸:3mm≧          (消化管エコーの基本走査より引用改変)  

しかし、気を付けなければならないことがあります。

この正常値以上に厚いからこれは肥厚しているんだということにはなりません。

消化管は蠕動運動と呼ばれるものがあります。

ミミズのように伸びたり縮んだりしているのです。

伸びているときは薄く観察されますし、縮んでいるときには厚く見えます。

何mm以上だから異常所見だと決められれば楽ですが、消化管の場合は必ずしも当てはまらないことを覚えておいてください。

必ず層構造の評価をして判断すべきで、何mm以上あるから異常所見なんだと判断するのはナンセンスです。

正常なのにエコー病を作らないように気を付けてくださいね。

消化管の観察に適した装置の設定方法

これも消化管エコー関連の書籍には必ず記載されていますので、見たことがあるかもしれません。

基本的には

  1. ゲインは低め、ダイナミックレンジは小さく
  2. できるだけ高周波のプローベで観察する
  3. フォーカスを観察したい部位に合わせる

といったところです。詳細は消化管エコー関連の書籍を見てみてください。

まとめ

消化管の層構造の評価をすることは質的診断に欠かせない事です。

自分が検査した症例が手術になった時に、結果を病理検査で確認するのも楽しいですよ♬

いきなり消化管エコーが上手になることはありません。

上達への道はひたすら練習あるのみです。頑張ってみてください♪

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